基礎知識

探究学習ガイド

自分で「問い」を立てて、調べて、考えて、自分なりの答えを見つけていく——それが探究学習です。 基本の流れと、つまずいたときのヒントをまとめました。

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探究学習って何?

普通の授業は、先生が教える内容を理解して正しい答えを出すもの。 一方で探究学習は、自分で「問い」を立てて、調べて、考えて、自分なりの答えを見つけていく学び方です。 数学の「この方程式を解きなさい」には正解がありますが、探究学習では 「地元の商店街に人が来なくなったのはなぜ?」のように、答えが1つとは限らない問いに向き合います。

普通の授業探究学習
問い先生が出す自分で見つける
答え基本的に1ついくつもあり得る
進め方教科書に沿って進む自分で計画を立てる
大事なこと正解にたどり着くこと答えを探すプロセスそのもの

なぜ今、探究学習が大事なの?

社会に出ると、正解が用意されている問題はほとんどありません。 「自分で問いを立てて、調べて、考えて、人に伝える」力は、大学でも仕事でもずっと使い続けます。 探究学習は、その練習を高校のうちからできる貴重な時間です。

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探究の4つのステップ

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課題の設定

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情報の収集

3

整理・分析

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まとめ・表現

新たな問いが生まれ、また1へ
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課題の設定自分の「問い」を見つける

日常の「なぜだろう?」「もっとこうなればいいのに」が出発点。「○○について調べる」より「なぜ○○なのか?」の形にするのがコツです。

例:商店街のシャッターが閉まった店が多いと気づく → 「なぜ閉店が増えた? 若い人が来たくなるには?」
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情報の収集調べる・聞く・体験する

ネットで調べるだけでなく、実際に人に話を聞いたり現場に足を運んだりすることが大事。現場の声にはネットにない情報があります。

例:商店街の店主に話を聞く/市役所の統計を調べる/実際に歩いてお客さんの様子を観察する
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整理・分析集めた情報を整理して考える

情報をただ並べるのではなく、分類し、比べ、原因と結果を探って「つまりこういうことだ」と意味を読み取ります。

例:「駐車場がない」「若者向けの店がない」「SNS発信が少ない」→ アクセス・魅力・発信の3つに分類すると構造が見える
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まとめ・表現わかったことを伝える

調べた内容をそのまま写すのではなく、「だから自分はこう考える」を自分の言葉で伝えます。ここが探究の成果になります。

例:まとめる過程で「もっと調べたいこと」が出てきたら、それが次の探究につながる
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螺旋モデル — 何度も回して深める

ここが探究学習の一番大事なポイント。4つのステップは1回やって終わりではありません。 ぐるぐると何度も回しながら、少しずつ問いを深めていきます。 最初から完璧な問いや答えを出す必要はありません。回しながら良くしていけばいいのです。

1周目

広く浅く。まずはやってみる

「商店街に人が来ないのはなぜ?」

2周目

問いを深める。気になる点を掘る

「若者が来たくなる商店街ってどんな場所?」

3周目

的を絞る。自分の答えへ

「地域のつながりと商店街の活気の関係は?」

回すたびに、問い自体がより深く、より鋭くなり、自分だけの学びになっていきます。

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身につく3つの力

文部科学省は、探究学習で育てたい力を「3つの柱」として示しています。やさしく言い換えると——

使える知識知識・技能

自分で調べ、考え、人と話して得た知識は「生きた知識」。別の場面でも応用できます。インタビューの仕方やデータの読み方も、一度身につければ一生もの。

考えて、決めて、伝える力思考力・判断力・表現力

情報を整理して「つまりこういうことだ」と考える力、何が大事かを見極める力、自分の考えを分かりやすく伝える力。教わるだけでは身につきません。

自分から動く力・人と協力する力学びに向かう力・人間性

自分で計画を立てて本気で取り組む主体性と、仲間と力を合わせて一人ではできないことを成し遂げる協働性が育ちます。

「将来どう役に立つの?」

探究学習に本気で取り組んだ高校生の約8割が「主体性が身についた」、約7割が「実行力が身についた」と答えた、 という調査もあります。自分で問いを立てて動く力は、大学でも社会でもずっと役立ちます。

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よくあるつまずきと乗り越え方

探究学習では、多くの人がどこかで壁にぶつかります。それは当たり前のこと。 つまずくのは、ちゃんと向き合おうとしている証拠です。

テーマが決まらない…

いきなり「好きなテーマを決めて」と言われても、すぐには思いつかないもの。興味があることと探究できるテーマは少し違うので、戸惑って当然です。

こうしてみよう

  • 日常の「なぜ?」「もっとこうだったら」を書き出してみる
  • 大きすぎるテーマ(「環境問題」など)は身近な範囲に絞る
  • 「○○について」ではなく「なぜ○○なのか?」の形にする
  • 友達や先生、家族と話す。対話の中で見つかることは多い
調べても何もわからない…

検索して出てきた情報を読んで終わり、になりがち。それだと表面的な情報しか得られず「で、結局何がわかったの?」となってしまいます。

こうしてみよう

  • 先に「自分はこうだと思う」という仮説を立てる
  • ネットだけでなく、実際に人に会って話を聞く
  • 「どんな情報が必要か」をリストにしてから調べる
  • 1つの情報源だけでなく、複数を比べてみる
まとめ方がわからない…

情報はたくさん集めたけれど、どう整理していいかわからない。発表のスライドも何から手をつけていいかわからない。多くの人が経験するつまずきです。

こうしてみよう

  • まず集めた情報を「似たもの同士」でグループ分け
  • 「一番伝えたいこと」を1文で書く。それが軸になる
  • 完璧を目指さず、下書きを作って少しずつ良くする
  • 友達に「これで伝わる?」と聞いてみる

さいごに

探究学習は、答えを見つけることだけが目的ではありません。 問いを立て、調べ、考え、表現する過程そのものが、皆さんの成長につながります。

完璧を目指さなくて大丈夫。自分なりに考えて、試して、少しずつ前に進んでいきましょう。

参考:文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総合的な探究の時間編」NPOカタリバ「全国高校生マイプロジェクトアワード2024」出場者調査Studyplusトレンド研究所 高校生調査